前日の激しい睡魔との死闘により、見も心も朽ち果て半ば望み薄しの感を拭えず意識朦朧とした中、私はそこに立っていた。
壱限目の【現代文】となる新手の工作にも、準備せずに立ち向かったが大した被害はなかった。
不幸中の幸いなのだろうか、次なる刺客【英語R】に対しても奇跡としか言いようのない勘と勇気で奮闘することが出来た。
先述のとおり、前日は睡魔に歴史的大差での敗退を記したわけだがここまで奇跡が続こうとなると次も…と思ってしまうのが人間の性。
最終関門【生物】と交戦、なかなか手強い相手である。
ここで私は念を込め、気合を入れ、心を一点に集中させるために目を閉じた。
私の思う事にこれもまた然り、私の奇跡のペンを持つ手に力を入れるのだ。
すると瞬く間に白紙の解答用紙は濃い黒鉛の文字を描き続けるはずだ。
こんな私、既に満身創痍である。
そうしていつしか私は無になっていたのだ。

奇跡は起こる、ただそれだけを信じて。
私は奮起し、目を開けた。
すると突如、試験終了を報せるチャイムが鳴り響いた。
覚醒した私の目の前には、白紙同然の解答用紙が
ただただ虚しく回収されるのを待っていた。

生物レッドゾーン確定

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