『ツキ』はいつも水面に映り、手を伸ばしても掴めない。

カプセル自動販売機
通称、「ガチャポン」（ガシャポンやガチャとも呼ぶ）

まだ幼い頃、親から貰った100円玉を握り締めて、
コインを入れ、レバーを回す時、ドキドキと胸が高鳴った記憶が私にはあります。

でもまぁ、目当てのモノは出ないんだけどね（笑）

どうしたかなぁ、1000円くらい注ぎ込んで同じモノが8個出て涙目になったのも良い思い出で、コインを入れてレバーを回してもカプセルが出てこなくて、チキンな自分は店の人にも言えず、まさかこの歳で自販機に詐欺られるとは夢にも思っていなかったあの頃。

月に一度、ガシャポンの中身を入れ替えに来る業者の人と会話をした事がある。

『キミ、何だぃ？これが欲しいのかぃ？ぃぃょ、好きなのを選んでぃぃよ』

そう、その時、私は神を見た。
何だこのおっちゃんは、ウチのハゲた校長先生より偉いんじゃないのかとさえ思った。
この金を入れなければ働かない、料金前払い制の物言わぬ販売機を統括している販売機もこのおっちゃんに対してはとても素直に口を開けてカプセルを受け止めているではないか。
（ちなみにこの時の将来の夢はガシャポン屋さん）

この歳になってみて、あの頃あの時あの瞬間と思うことがたくさんある。
本当、今となってはどうでもいいことなんだが『あの頃の自分』にとっては未知で不思議な出来事だったんだ。
だけど、この間久しぶりにガシャポンを1000円分回してみたら出たのが2種類（5個）だったなのでやはり『ツキ』に関してはあの頃と全く変わらないなぁ、と感じた今日び。

運に見放され、挙句に大人買い